Facebookやtwitter、blogといったソーシャルメディアに興味があります。
その一方で、最近は「つながらない生活」の必要性についても見直したいなと思っています。
私は以前よりも忙しくなりました。
SNSを始める前と後を比較してのことです。
膨大なつながりを上手くさばこうと、テマとヒマをかけてスクリーンとにらめっこしています。
そこにはココロおどる瞬間があり、多くの情報が得られ、世の中と一瞬にしてつながるコトができます。
スクリーンを通じて満たされる感覚を味わう一方で、こころのゆとりを、気持ちの安らぎを、ゆるやかな時の流れを求めている自分もいることに最近気がつきました。
そこで、自分にとって大切なのは何なのかと自問しました。
私なりの答えは、外の世界や多くの人とつながるコト、内なる世界と向き合うコト、この二つの強い思いを調和させることだと思いました。
大切に思う人たちとつながり、刺激を受けながらも、自身の内面ともしっかりと向き合う。
言葉にするととても簡単ですが、実践するのは難しいものです。
この点、著者は「深み」に注目しています。
考え、感情、人付き合い、仕事、活動のすべての「深み」があってこそ充実した人生を送ることができると主張しています。
「つながりに満ちた世の中にあって、実り多い幸せな人生を歩むには、つながりを逃れる術を身に付ける必要がある」
この考えは、デジタル社会の中にいる現代人だけに留まらず、何世紀前においても繰り返し唱えられてきました。
プラトンは喧騒から距離を置き、セネカは内面の探求に没頭する。
グーテンベルクはテクノロジーのあり方と向き合い、シェイクスピアは昔ながらの道具に注目する。
フランクリンは前向きな取り組みを推奨し、ソローは内面と向き合うための場所を確保する。
そして、マクルーハンは意識を外界ではなく身近なコトにおく。
このように、その時代々々の賢人たちによって、その時代に合ったココロの平穏の秘訣が提唱されてきました。
それでは、今を生きる私たちが「平穏で深みある幸せな日々」を送るにはどうすればいいのか。
それは、「つながらない」というカードを持っているかどうかではないでしょうか。
いつでもこの「つながらない」というカードを選択できるよう心の片隅に置いておくだけで、少しホッとしたような安心感を味わうことができるのだと思います。
この感覚がゆとりを生み、人生に深みを味わうことができると、本書を読んで感じました。
今回この本を読んで、他者や自身との「つながり」について自分なりの距離感や哲学を考えるきっかけができました。
とても良い本でした。