カンボジアの旅はここ「セントラルマーケット」から始まった。
そこに一歩足を踏み入れると、雑踏、喧騒、渾沌といった言葉を思い出すと同時に、強い刺激臭が身を包む。
色彩豊かな野菜や果物、フックに吊るされた生肉の塊、キラキラと輝く宝石、独特の匂いを放つプラホックやトゥック・トレイといった調味料、シャイなトゥクトゥクのドライバーや、子供服を売っている横で魚を捌く店員など、刺激的な体験がそこにはあった。
旅において、「文化」と「食」を切り離すことはできない。
その土地の物を、その土地で食べる事で、その土地の文化を、味と匂いそして目で感じる。
そこには、今まで味わったことのない味覚に出会うチャンスがあり、面白いモノを発見した時の楽しさがある。
それはとても刺激的な体験だ。
この体験は、旅の醍醐味であり楽しみの一つであることは間違いない。
旅に出れば必ず訪れるのが市場だ。
というのも市場は、食と文化の縮図だと思うからだ。
その地の珍し食材や料理、衣服や生活雑貨、宝石やお土産などが所狭しと並べられ、それらに引き寄せられるように、多くの人が集まってくる。
そこに集まる人達は多種多様だ。
生活の一部として、観光として、食材を求めて、または集まる人を見物するためなど、様々な理由で集まってくる。
一見バラバラに見える人の集まりだが、大きなまとまりとして一つの魅力溢れる世界をかたどっている。
今回はその一片を、写真を通して見て頂けたらと思う。