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アンドリュー・カーネギー著 「富の福音」のメッセージ

富の福音
アンドリュー・カーネギー 著



本書は大きく3つの主張によって構成されている。


1つ目は、富とその役割 
2つ目は、企業と労働
3つ目は、戦争と主義
ここに「生い立ち」や「その時代の流れ」を含ませながら話は進む。
今回はその1つ目の主張に感じたことを書いた。 

貧しい家庭に育ったカーネギー少年。 
彼は「自分に何ができるのか」と考え、生活費を稼ぐために働きに出る。  
紡績工場の肉体労働という厳しい環境の中、日々の生活を少しでも楽にするために働いた。
そこで当然のように生まれたのが「貧困という狼を家の外へ追い出してやる」という強い決意だった。
注目する点は、賃金よりも「勉強する時間を作る事」を第一に考えたことだ。
生きる事に必死の中、目先の利益に捕らわれることなく、自己への投資を続ける胆力とその姿勢には、書かれて100年以上経つ今でも学ぶ点は大きい。
このカーネギーの賢さと胆力は、彼の先見性を磨いたのと同時に、後の「鉄鋼王カーネギー」と言われる大富豪をつくった大きな資質だと言える。
カーネギーは本書の中で「貧しいことは不幸ではない」「貧富の差はあって然るべき」といった主張を何度も繰り返し述べている。
そこには「私は貧しい環境下で生まれ育った。しかし、それを理由に人生を放棄することはしなかった。この境遇をどう乗り越えるかという問題に対して、今何が必要なのかを考え、そして実行に移してきた。望むコトがあるのならば、何かのせいにすることはやめて、思いを実行に移しなさい。」という強いメッセージを感じずにはいられない。


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