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「いき」って何?ひとまず九鬼周造「いきの構造」を読んでみる

「いき」ってなんだろう。


軽やかであり重みもある
上品すぎず下品すぎない
高貴なのか下賎なのか
渋味もあれば甘味もただよう
けっして派手ではないが地味でもない
都会的であるが流行りに流されない
さび、雅、味、きざ、色っぽさ…。
考えるとぼんやりとしたキーワードが浮かぶばかり。 


ということで今回は「いき」の答えをもとめて本書を手に取りました。


九鬼周造「いきの構造」は哲学的で専門的な表現が多く、とっつきにくそうだなと思いましたが、読みはじめると発見の多い本でした。


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「いき」について考えるきっかけになったイベントです。


「いきの構造」をまとめると


1 「いき」は日本独特のモノ

海外の国の文化や習慣、考えと比べても「いき」は日本独特の文化のようです。
他国にも「いき」に似た言葉や行動もありますが、微妙なニュアンスの違いがあるといっています。


2 「媚態、意気地、諦め」=「いき」

「いき」の歴史をひも解くと、遊里の世界から生まれた背景があるそうです。
男女のつかず離れずの緊張関係は、自由と可能性の追求です。
虜にならず、未練を残さずが「いき」の精神だと九鬼は言っています。


3 「いき」の身体的表現と芸術的表現 

いきっぽい格好だけでは本当の「いき」ではありません。
いきな考えがあっての「いき」です。
いきな考えとは、つかず離れず、ツンとデレのような不安定なことを言っています。
それをふまえて、身体的な「いき」と芸術的な「いき」を紹介しています。

身体的な「いき」…言葉遣い、姿勢、衣装、体つき、顔と表情、化粧、着こなし、素足と手のしぐさ

芸術的な「いき」…絵画、彫刻、建築、音楽、演劇

それぞれに「いき」を感じさせる特徴があります。
例えば「いき」な姿勢について引用すると…



「いき」は異性への関心をほのかに暗示するものである。左右均斉な姿のバランスをわずかに崩すことによって、まっすぐな体の線がゆるやかに湾曲するというあたりが「いき」の表現としては重要なのである。



まとめ


 今回は「いき」ってなんだろうと考えました。
”仏教の考え、武士の精神、江戸の華やかさ、男女のかけひきなどをあわせたものが「いき」である” というのが僕なりの答えです。

本書のすごいところは、何となく「いき」っぽいではなく、論理的に哲学的に深く追求している点です。はじめは「媚態、意気地、諦め」=「いきの構造」という考えに驚きながら、読み進めるうちになるほどなと納得もさせられました。


また「いき」をとおして日本文化の繊細な部分や、独特の文化を知ることができました。


「いきの構造」は岩波文庫と角川ソフィア文庫、講談社学術文庫で出版されていますが、個人的には角川ソフィア文庫が読みやすそうでした。


 


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