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「土を喰う日々―わが精進十二ヵ月 」を読んで

「味覚はその人の生にひそんだ精神史である。」 本書に書かれている水上氏の言葉だ。著者の培われてきた精神とは何だったのか。それは、精進と土の匂いである。
幼い頃、禅寺で過ごした著者は、目の前の畑で育った野菜を 使って料理をする日々を送る。その過程で培われた食に対する精神は、いつか忘れてしまった日本の心を思い出させてくれる。


日本には四季があり、その時々の味覚がある。
そう思っていたが、僕の考えは少し乱暴だったようだ。
本書を読んで気付かされたのは「日本には12ヶ月の味覚がある」ということだ。
一端その考えを覚えると、何だか自然で、正しいように思えてならない。
1月は秋に蓄えた馬鈴薯、小芋、ねぎ
2月は田楽、こんにゃく
3月は高野豆腐、湯葉
4月はたらの芽、アカシアの花、ワラビといった山菜
5月が筍、うど
6月は梅
7月は茄子、夏大根
8月は豆腐
9月は松茸、しめじ
10月は果実酒、唐辛子
11月は栗、くるみ
12月は焼き芋、根菜汁
各月、それぞれの材料を使って、それぞれの味覚を楽しむ。 そこには、精進の心があり、知恵を感じる。 食とは何なのか、自然との向き合い方は、もてなしとは…「料理本」に留まらず、生き方を考えさせられる本だった。


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