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「ルワンダの涙」を知ること

「ルワンダの涙」
'13 movie 045 ★★★★★ #movie
2007年公開 イギリス・ドイツ制作


20070202005643




アフリカ大陸の中部に位置する国「ルワンダ」 1994年、この国で起こった民族紛争の一端を描いたのが「ルワンダの涙」だ。 首都キガリにある公立技術学校を舞台に、そこに駐留する国連軍、英語教師、神父の状況、フツ族によるツチ族への虐殺が、残酷なまでに映し出されている。

本作を通じて知ったことは、100日間で50〜100万人のツチ族が殺害された事実と、プロパガンダの恐ろしさだ。
映画を観終えたあと、ルワンダ紛争のことが気になった。なぜこのような結果になったのか知りたくなった。 調べてみると、「ルワンダ虐殺」と言われるこの大量虐殺の背景には、単に部族間の対立によって引き起こされたのではなく、多くの要因があったことが分かった。
要因は大きく2つに分けられる。 「植民地時代における西欧の思惑」と「メディアを利用した周到なプロパガンダ」だ。

もとは同一民族であったフツ族とツチ族は、19世紀頃ヨーロッパ人が到来して以来、二つの民族に分けられた。 ベルギーの植民地だった1930年頃には、ルワンダの統治をしやすいように政策が敷しかれた。ツチ族への優遇処置に始まり、ID管理制の導入を行った。これにより民族の区別が確立され、後の大量虐殺につながる要因になった。

第二次世界大戦後、ルワンダ国内でも独立運動の機運が高まっていった。また時を同じくして、人口の増加による土地不足、失業率の悪化による貧困などの諸問題を抱え、国内には不満が募っていった。 結果的に民族間の対立が起こるようになったは必然的だといえる。 その間、政府はこの対立を政治的に利用するようになる。 ラジオや雑誌といったメディアを使い、対立を深めるよう企てた。 組織だったそのやり方は、過激派フツを煽り、大量虐殺へと導いた。

2〜3日前まで話していた隣人が、ナタを持って殺しに来るコトを想像すると、恐怖以外のなにものでもない。 しかし本当の怖さは、「100万人の虐殺」を仕組んだ者達がいるという事実だ。煽動的なメディアプロパガンダ、民兵組織の結成、銃火器の供給、虐殺対象のリストアップなど、聞くだけでぞっとする。

これらの要因や思惑を知り、改めて映画のシーンを思い出すと、人間という生き物の残虐さと脆さを感じずにはいられない。 人間の中に潜む醜悪な感情を知る上でも、ルワンダ虐殺という事実を知る上でも、一度は観ておきたい映画である。


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